高校数学の三角関数について整理してみたよ。(一通り学習した人の復習用です。)
おさえておきたい事を6つのトピックにまとめたので、基本から応用まで入試前にしっかり確認していってください〜
1. 加法定理について(文・理)
加法定理については受験においては暗記するのが一番ですね。ぶっちゃけ。
& \sin{( \alpha + \beta )} = \sin{\alpha} \cos{\beta} + \cos{\alpha} \sin{\beta} \\
& \cos{( \alpha + \beta )} = \cos{\alpha} \cos{\beta} – \sin{\alpha} \sin{\beta}
\end{align*}
忘れがちな方はおそらく演習して使っていくうちに自然と頭に入ってくると思うのですが、よくある有名な図について、ここ載せておくのでセットで頭に入れてみてください。
試験本番で加法定理が何かど忘れする可能性もありますしね。語呂合わせは自分でggってくれればきっと出てくると思います。
僕は「幸子小林小林幸子」で覚えてました
1′. 三角関数の基本性質(文・理)
2. に行く前に、sin,cos,tan の間に成り立つ基本的な関係式も確認しておきましょう。
& \sin^2{\theta} + \cos^2{\theta} = 1 \\
& 1 + \tan^2{\theta} = \frac{1}{\cos^2{\theta}}
\end{align*}
なんか cos ~ tan の関係式しらねぇっていう人いますが、これは sin ~ cos の関係式の両辺を \(\cos^2{\theta}\) で割ることで得られますので覚えておいてくださいね。
皆さんはこれを利用して次の2つが自由に行えないとダメですよ。
- sin ~ cos の変換
- cos ~ tan の変換
2. 合成(文・理)
三角関数の合成をなんか難しく捉えてしまっている方は意外と多いのですが、やること自体は加法定理の逆ですからね。
それだけ押さえておけば特に覚えることもなくできると思いますよ。画像にはないですがcos合成も同様にできます。
3. 角度パラメータの処理(応用)(文・理)
計算が難しくなってしまう根号は嫌なので↓の 2 つを積極的に活用したい。
・傾き → $\tan{\theta}$
・なす角 → $\tan{\theta}$ or 内積の利用
ここからほんの少しだけ受験っぽくなります。
よく図形量の計算問題で、角度を変数に置くような場面ってありますよね。
長さを変数に置くべきか、角度を変数に置くべきか…
三角関数を積極的に利用して角度変数を利用した方が計算が楽になることが(経験上)多いです。
少なくとも忌まわしいルートが出てこないので気持ちが楽です。
三角関数を微分する方がルートを微分するより気楽でしょう?
困ったら積極的に角度をパラメータにすることを意識してみましょう。
4. 和積・積和の公式(文・理)
これは卑猥な語呂合わせがありますね。僕もそれで覚えておりましたが。
& \sin{x} + \sin{y} = 2 \sin{\frac{x+y}{2}} \cos{\frac{x-y}{2}} \\
& \sin{x} – \sin{y} = 2 \cos{\frac{x+y}{2}} \sin{\frac{x-y}{2}} \\
& \cos{x} + \cos{y} = 2 \cos{\frac{x+y}{2}} \cos{\frac{x-y}{2}} \\
& \cos{x} – \cos{y} = – 2 \sin{\frac{x+y}{2}} \sin{\frac{x-y}{2}}
\end{align*}
& \sin{x} \cos{y} = \frac{1}{2} { \sin{(x + y)} + \sin{(x-y)} } \\
& \cos{x} \sin{y} = \frac{1}{2} { \sin{(x + y)} – \sin{(x-y)} } \\
& \cos{x} \cos{y} = \frac{1}{2} { \cos{(x + y)} + \cos{(x-y)} } \\
& \sin{x} \sin{y} = – \frac{1}{2} { \cos{(x + y)} – \cos{(x-y)} }
\end{align*}
暗記する人は次の2点だけはおさえておくこと。
- いつでも加法定理からすぐに導けるようになっておくこと
- 係数と符号に注意すること
数3ではこの公式はよく出てくるので(意外と入試で使う機会少なくない)理系は覚えておいても損はないです。
まぁ、すぐ導けるから覚えなくていいと思いますが。
5. 三角関数の置換(文・理)
三角関数で置換するパターンは大きく4つ。
1. まるごと $\sin{\theta} = t$ (or $\cos{\theta} = t$) と置換するパターン
2. $\sin{\theta}, \cos{\theta}$ の対称式 → $t = \sin{\theta} + \cos{\theta}$ と置換
3. $\cos{\theta} = X, \sin{\theta} = Y$ として単位円周上の点と見る
4. $\tan{\frac{\theta}{2}} = t \, (- \pi < \theta < \pi)$ とおくパターン
置換する場合は変数の範囲の確認を忘れずに。
例えば、 \(t = \sin{\theta}\) はどう考えても -2 にはならないわけですね。
4番は高校数学ではあまり出てこないような気はしますが、三角関数の有理関数の積分は、この置換をすればできることは知っておいてもいいかもしれません(しばしば計算地獄に陥ります)
6. 微積分について(理)
& \frac{ \mathrm{d} }{ \mathrm{d}x } \sin{x} = \sin{(x + \frac{\pi}{2})} = \cos{x} \\
& \frac{ \mathrm{d} }{ \mathrm{d}x } \cos{x} = \cos{(x + \frac{\pi}{2})} = – \sin{x}
\end{align*}
これ重要。サイン、コサインは微分すると位相が \(\frac{\pi}{2}\) だけ進みます。
例えば電磁気の交流の分野なんかで非常に使える知識ですよね。
三角関数の微積分の演習問題
三角関数の微積分に関しては、練習問題的なの貼っときます。
- \( \int_0^{\frac{\pi}{4}} \cos^2{x} \, dx \)
- \( \int_0^{\frac{\pi}{4}} \cos^3{x} \, dx \)
- \( \int_0^{\frac{\pi}{4}} \cos^4{x} \, dx \)
- \( \int_0^{\frac{\pi}{4}} \cos^5{x} \, dx \)
- \( \int_0^{\frac{\pi}{4}} \cos^{-1}{x} \, dx \)
- \( \int_0^{\frac{\pi}{4}} \cos^{-2}{x} \, dx \)
- \( \int_0^{\frac{\pi}{4}} \cos^{-3}{x} \, dx \)
- \( \int_0^{\frac{\pi}{4}} \cos^{-4}{x} \, dx \)
こういう基本的なところで間違えないようにね。
- \(\frac{\pi}{8} + \frac{1}{4}\)
- \(\frac{5}{12} \sqrt{2}\)
- \(\frac{3}{32} \pi + \frac{1}{4}\)
- \(\frac{43}{120} \sqrt{2}\)
- \(\log{(\sqrt{2} + 1)}\)
- 1
- \(\frac{1}{2} \{ \sqrt{2} + \log{(\sqrt{2} + 1)} \}\)
- \(\frac{4}{3}\)
以上で終わりです。最後に、三角関数がらみの面白い本の紹介。
わかる人にはわかる「丸い三角関数」の意味。わかりやすくて面白い本なので、数学嫌いでも楽しめます!
三角関数と仲良くなりたい方はぜひ読んでみましょう。