こんな質問をコメントで頂きましたので書いてみます。
数学について、計算ミス、小さな公式のミスがなくならず、模試でどうしても完答できません。普段あまりやらないミスをしてしまうのですが、どのように対策すればよいでしょうか。
計算ミスの話と公式の話は少し違う気がするので、分けて話をしていきます。
計算ミスの対策について
僕は浪人していた頃の一年間は特に、計算ミスなどの細かいミスには特に注意深く対策していたつもりなので、自分がやっていた対策をいくつか紹介します。
前提: 計算ミスは知識不足のミスよりも重大であるという認識を持ったほうがいいよ、という話
計算ミスって意外と軽視されがちなミスなのですが、冷静に考えて普通に取れた得点が取れなかったのは痛すぎます。得点でシビアに合否が決まってしまう受験の世界では尚更、計算ミスで落ちましたとか笑えないですよね。
そして計算ミスにも意外と傾向はあるものでして、それぞれ対策しないとなくならないことが多いのも同時にお伝えしておきます。
まずはこのあたりの前提を強く持っておきましょう。
少々過激ですが、具体値求める問題で計算ミスするのは 0 点と変わらないと思っていて、それくらい答えの数字を合わせることは重要ですし計算ミスは印象悪いです。
ここまで、計算ミスは軽視せずに、まずは分析してみましょうという話を簡単にしました。
ここから、自分がやっていた具体的な対策をベースに話をしていきます。
セーブポイントをいくつも作るという感覚を持とう
これは一般的なケアレスミスの対策に応用できるライフハックにもなるのですが、ケアレスミスの対策には「ここまでなら合ってるという確信を持てる “セーブポイント” をたくさん作る」ことが非常に効果的です。
例えば、 (2) で (1) の結果を使うならば、まずは (1) をもう一度解き直して計算ミスが無いか確認してセーブしてから次に進むとか。
計算ミスチェックは全て解いてからするのではなく、解き進めながら行って、セーブしながら進めていくのが効果的かつ効率的です。
ありえない、気持ち悪い場合をパターンとして持っておこう
確率なら 1 以上とか負になったりするとかおかしいよね。面積なら負にならないし、整数問題で分数が出てくると気持ち悪い。
入試問題の計算途中で異常に気持ち悪い数字が出てきたら計算ミスしていることを疑ったほうが良いし、図形が絡む問題だったら答えだしたあとに図を書いて確かめられるか実際に調べたほうがいい。
こういった見方をパターンとして持っておくのがおすすめです。
解答は美しく書く
字を丁寧に書くことはもちろん重要ですが、解答を美しく書くことはそれ以上に重要と考えています。
解答を美しく書くとは、論理の流れや構造、思考の流れが明確に分かるように書くということです。
e.g. 解答を美しく書くとはどういうことか
例えば次のような問題。
自然数 \(n\) に対して、 \(2^n + 1\) は \(15\) で割り切れることは無いことを示せ。
この問題をまずは美しくない解答を意識して書いてみましょう。
美しくない解答
パッと見で何を言っているのかよく分かりませんね。
本人では分かっていても、これでは採点者フレンドリーな答案とはいえません。
- まず \(f(n)\) ってなに?
- ほんとに \(f(n + 4) – f(n) \equiv 0\) なの?
- 急に現れた \(f(1), … f(4)\) はなに?
- なにが示せた?ホントに示せたのか?
みたいなツッコミポイントがたくさんあるし、これを自分で見直しても計算ミスを発見するのは至難の業です。
それではこれをなるべく美しくしてみましょう。
なるべく美しくした解答
どうでしょうか。同じプロセスでも、必要に応じて日本語を補ったり、意味のまとまりを空白で区切ってみたりすることで、構造や流れが見やすくなっていませんか。
解答をこのように書くことで、採点者フレンドリーな解答になるだけでなく、自分の思わぬ計算ミスにも気づきやすくなります。
解答をどれだけ厳密に書くかについての粒度は、その問題の難易度や求められる得点、テストなどの状況に依存するので何とも言えませんが、少なくとも「他人が見ても容易に明確に理解できる」ような解答を書くことを心がけましょう。
公式を細かいところで適用ミスしてしまうことについて
こちらについては、公式についての理解が浅いことが原因として考えられます。
公式の理解を深めるという感覚って非常に説明しづらいのですが、こちらの動画みたいな捉え方をしてみることが大きなヒントになると思います。
色がついて見えるというのは非常にいい表現だなと思います。
なぜ、その公式がその数式なのか、その形をしているのか?を突き詰めて考えてみるとこういう発見ができるようになるものです。
まとめ
- 計算ミスは重大なミスです。分析して、まずは傾向を掴みましょう。
- セーブポイントをたくさん作りましょう。
- ありえない、気持ち悪いものをパターンとして持っておきましょう。
- 解答はなるべく美しく書きましょう。
- 公式のミスは理解が浅いことによる曖昧な暗記が原因。じっくり理解を深めましょう。
コメント返信
計算スピードを速くするために努力していた事はありますか?
「計算スピードを速くする」を受験生時代から2つの意味で分解して考えていたので、2通りの解釈について対策していたことを書いてみます。
1. 純粋な計算スピードを速くする
これは単純ないわゆる「計算スピード」ですね。自分はそろばんなどができるタイプの人間ではないので凡人並みの計算能力しかありませんが、意識してやっていたことといえば「電卓を極力使わない」ことでしょうか。化学の計算など、ちょっとやりたくなくなるようなしんどい計算でも基本的には手計算ですべて進めていました。日頃からこういう意識を持つことは、純粋な計算スピードを速くすることに寄与していたのではないかと思います。
2. 問題全体を解くスピードを速くする
この記事に書いたように、計算ミスにたいして常に意識を持っておくことは、結果として正しい計算を一回で行うことにつながり、計算を含めて問題を解くスピードを上げることが出来ます。(個人的にはこっちの方が効果が大きく重要だと思っています)